女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
小泉大樹と舞が先輩後輩であることに間違いはない。
けれど小泉大樹は不服そうな表情で頬を膨らませている。

途端に子供のような顔つきになった相手に舞の心臓がドクンッと跳ねる。
社内ではバリバリ仕事ができてカッコイイことで有名だけれど、こんな顔もあるんだ……。

と、つい引き寄せられてしまいそうになり慌てて左右に首をふった。
いけない。

女性社員たちは小泉大樹のこういうギャップにやられてしまうんだろうけれど、私までやられてしまうわけにはいかない。

親の敵だとでもいうように小泉大樹をにらみつける。
「それにしても、よくモテますね」

嫌味たっぷりにそう言うと、小泉大樹は運ばれてきたクリームゾーダを美味しそうに飲んで「そう?」と、首をかしげた。
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