女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
おしゃれな喫茶店でイケメンがクリームソーダ。
その構図だけでも鼻血を吹いてしまう女性が多そうだ。

この男、ギャップや萌をしっかりと抑えている。
「さそかし沢山の女性と付き合ってきたんでしょうね」

舞は嫌味の響きを含ませたまま続ける。
すると小泉大樹は困ったように眉を寄せて「そうでもないよ」と、言ったのだ。

どの口が言ってんだ! 女好きのくせに!
と心の中でツッコミを入れてから「そうなんですか?」とわざと聞き返す。

「あぁ。俺のことを本気で好きになってくれる子なんていないから」
悲しげな声色におや、と舞は戸惑う。

いや、だけど騙されちゃいけない。
浩子はあれほど飲んだくれて泣いていたのだ。

これも、小泉大樹の手口のひとつなのかもしれない。
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