女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
やっぱり大嫌い
普通、人とデートしてて他の子ともデートしてるなんて言うかぁ!?
喫茶店をを出た舞は信じられない気持ちで隣の長身男を見つめた。

小泉大樹は自分の失言にも気がついていないのか「次は映画でも行こうか」なんてのんきなことを言っている。

ここでバシッと言ってやらないと、きっとこの男はこの先も色々な女の子を泣かすかもしれない。

舞は覚悟を決めて大きめの咳払いをした。
「どうしたの? 風邪でもひいた?」

そんな見当違いの心配も、この人を好きだと思っている女性からすれば可愛いところなんだろう。

だけど舞からすれば鈍感もいいところだった。
「ちょっとそこの公園で、座って話をしましょう」

誰もいないだだっ広い公園を指差して、舞は言ったのだった。
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