女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
それが許せなかった。
「浩子のことを弄んで捨てたでしょう!」

「は!? え、なに?」
パチパチとまばたきを繰り返す小泉大樹。

だけど私はごまかされない。
浩子からもちゃんと聞いたことなんだから間違いない。

「浩子に謝って! あの子1人で泣いてたんだから!」
「泣いてたって、女の子が? どうして?」

「だから、あんたのせいだって言ってんの!」
どうしてこうも話が通じないんだろう。

小泉大樹からすれば女の1人やふたりのトラブルなんて、取るに足らないものなのかもしれない。
悔しくて、思わず奥歯を噛み締めた。

これじゃ浩子が可愛そうすぎる!
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