女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
声をかけられてハッとして顔を上げたけれど、そこにいたのは今まで隣にいた女性ではなかった。

同じ会社で、何度かデートしたことのある子だ。
さっき偶然喫茶店でも会ったばかりだった。

「あぁ……」
「どうしたの1人で。佐藤さんは?」

「彼女は帰ったよ」
「もしかしてなにか勘違いさせちゃったとか?」

勘違い。
そうなのかもしれない。

学生時代からよく女性に勘違いさせることがあった。

だから大人になってからはそうならないように気をつけてきたはずだったんだけど……。

「今度またお願いしたいんだけど、いいかな?」
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