女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
誘いを断った舞を見て驚いた顔をしている。
だけどこんな卑劣な男の毒歯に自分までかかるわけにはいかない。

舞は中村を無視して自分の席へと向かう。
他の誰も出勤してきていないから、部屋の空気が重たかった。

こんなことになるなら、外で小泉大樹の出社を待てばよかった。
自分の席に座ってからも中村がチラチラとこちらを気にしているのがわかった。

その視線は舞の体を舐め回すかのように感じられて不愉快だ。
早く誰か来てくれないかな。

そう思ったときだった。

廊下から複数人の足音が聞こえてきて視線を向けたとき、ドアが大きく開け放たれていた。

入ってきたのは小泉大樹を先頭にした複数の女性社員たちだった。
同じ部署の子もいれば、他の部署の子もいる。
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