女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
「この人達のことをご存知ですよね?」
「し、知らない」

ブンブンと左右に首をふる中村の顔はすでに青い。
彼女たちとまずい関係にあることは明白だった。

「知らない? これを見てもそう言えますか?」
小泉大樹が取り出したのは茶封筒だった。

それを逆さまにして中身を中村のデスクの上にばらまく。
中に入っていたのは沢山の写真だった。

そのどれもが夜の街を女性と歩く中村の姿が捉えられていた。
「こ、これはっ……」

中村の額に汗が滲んで浮かんでくる。

「俺はこう見えても女性社員からの人望があるんです。この中の1人に頼まれて、あなたのことを調べていました」
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