女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
小泉大樹の声が真っ直ぐに響く。
「ち、違う。僕はなにも」

「あなたと別れたいけれど、別れることを許されなかったと言っています。あなた、彼女たち全員に同じような脅しをかけていたようですね?」

それはまるで名探偵の推理シーンのようで舞の心臓はドキドキした。

「スマホの中身をすべて削除してください。じゃないと、会社の上層部と中村さんの奥さん、更に奥さんのご実家にもこの写真を送りつけます。

もちろん、女性側の顔はモザイクで消しますが、不特定多数の女性と関係があったことはバレバレですよ? どれほどの慰謝料になるのでしょうね?」

小泉大樹の声が楽しげなものに変わる。
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