女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
だけど女性社員たちの間にはまだピリピリとひりついた空気が漂っていた。
中村がスマホの写真を消さない限りは安心できないからだ。

「わ、わかった。データを全部消すから、それだけはやめてくれ！」
中村の悲痛な声が聞こえてきたあと、スマホを操作しているのが見えた。

「こ、これでいいんだろう？」

中村が画面を小泉大樹へ見せているが、小泉大樹はスマホを奪い取ると女性写真たちに確認させはじめた。

「よかった、消えてる」
浩子のホッとした声が聞こえてくる。

「この子たちの写真はスマホにあるだけか？」
「も、もちろんだ。他のところに転送したりはしていない」

しかし中村の言葉を信用していないようで、小泉大樹はデスク上のパソコンを調べ始めた。
さすがに仕事で使っているパソコンに女性の写真は入れられていなかったみたいだ。

ここまでやってようやく女性社員たちから安堵した雰囲気が伝わってきた。
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