女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
「気が付かなかったんだ、ごめんね?」
「いいのよ。昨日はあの後ずっと中村さんについて調べていたの?」

「そうなんだ。実は一月くらい前から中村さんに関する相談が増えてて、昨日君と別れた後に脅しまでしていることがわかって、早急にどうにかしなきゃいけなくて」

早口で説明している様子はまるで怒られた子供みたいだ。
それがなんだか可愛らしく見えて舞はまた笑ってしまった。

でも、こんなことをしている場合じゃない。
自分はとんでもない勘違いをしていたのだから。

「小泉さん、ごめんなさい! 全部私の勘違いだったの」
舞は深く頭を下げた。

浩子が最初からちゃんと説明してくれればとも思うけれど、あんな写真で脅されているなんて、とても言えなかったんだろう。
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