女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
今なら、浩子の気持ちも理解できる。

「いや、構わないよ。俺、学生時代からいつも人を勘違いさせるタイプだったんだ。今回君が俺のことを女好きだって思ったのだって、仕方ないことだし」

そう言いながらも小泉大樹の顔は切なげに歪む。
本気で好きになった子にまで勘違いされて、さすがに傷ついているんだろう。

「頬まで叩いちゃって、本当にごめんなさい。あなたは浩子を助けてくれたのに」

舞が勢いで叩いてしまった頬はまだ少し赤い。
そっと手を伸ばして触れてみると熱を持っているのがわかった。

再び謝罪しようとしたとき、触れいた頬が一気に熱くなるのがわかった。
さっきまでの比ではないほどの熱に驚いて見ると、小泉大樹の顔が真っ赤に染まっている。

「あの、こういうことされると今度は俺が勘違いするんだけど」
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