女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
☆☆☆

その後、女性たちの逆襲により中村さんは会社をやめることになった。

信頼のある上司の突然の退社に男性社員たちは戸惑っていたけれど、女性たちからの圧に寄って送別会も開かれることなく終わった。

「あぁ、スッキリした!」
中村さんが退社した最後の日、浩子は満面の笑みを浮かべてそう言った。

アフターには食堂でバイトしている女子大生と飲みに行く約束があるのだと、スキップしながら部屋を出ていってしまった。

「解決したからってどうってことない顔しちゃって」
舞がそうつぶやいたとき、ドアが開いて小泉大樹が姿を見せた。

舞と付き合い始めた大樹は女性からの相談をすべて断り、今では女好きの異名は密かに囁かれる程度になっていた。

「あなたに相談できなくなった女性たちはどうしてるの?」
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