女好きの最低男がなぜか私だけ溺愛してくる
☆☆☆

どうにか午前中に仕事をやっつけて、舞はお弁当を持って屋上へと向かった。
普段は浩子と一緒に食べるのだけれど、今日は食欲がないと断られてしまったからだ。

1人で屋上へ出てみると外はとても天気がよくて、すでに何人かの社員がベンチに座って食事を開始していた。

舞は誰も座っていないベンチに腰かけて膝の上でお弁当を広げた。
1人暮らしをしている舞はいつも自分でお弁当を作ってくる。

といっても、卵焼きを焼くくらいで後は冷凍食品と昨日の晩御飯の残りを詰めただけのものだった。
舞だって人並みに朝は忙しいし、平日毎日ちゃんとしたお弁当を作る余力はなかった。

そうして自分のお弁当を食べ始めたときだった。

階段のほうがキャアキャア騒がしいなと思って視線を向けると、3人も女子社員たちが小泉大樹を取り囲むようにしてやってきたのだ。
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