月とスッポン 牛に引かれて
「明日はどうしましょうか?」
「ちひろ美術館の近くに小さいけど美味しいパン屋さんがあるそうなんですよ。
美術館の前に寄って、公園で食べると最高だって言っていたので、朝はそうしようかと思っていたんですけど」
ここの朝ご飯も気になる。
「いいですね、ピクニック。芝生の上で、ゆっくりと食事なんて大学の時以来です。気持ちいいですよね」
「そうなんですか」
なんだか青春の匂いがする。
人生の勝ち組って感じがする。
普通の人が幼児期にしてきた事を、今自分の力でやってみようと意気込んでいる私とは違う人種なのだろう。
彩綾さんが海を妊娠した時に、大河を引き取る事になり家がごたついていた。
それで2人は引き裂かれたとは聞いている。
順風満帆な人生ではないはずで、
彼には彼にしかわからない苦労があったはずで、
見かけだけでは判断してはいけない事はわかっている。
わかっているが、自分で入れたお茶を優雅に飲む大河を見ていると、なんとも言えない気持ちになる。
飲み頃になったお茶を、風情のある庭を眺めながら飲む。
なんて贅沢な時間なのだろう。
「ちひろ美術館の近くに小さいけど美味しいパン屋さんがあるそうなんですよ。
美術館の前に寄って、公園で食べると最高だって言っていたので、朝はそうしようかと思っていたんですけど」
ここの朝ご飯も気になる。
「いいですね、ピクニック。芝生の上で、ゆっくりと食事なんて大学の時以来です。気持ちいいですよね」
「そうなんですか」
なんだか青春の匂いがする。
人生の勝ち組って感じがする。
普通の人が幼児期にしてきた事を、今自分の力でやってみようと意気込んでいる私とは違う人種なのだろう。
彩綾さんが海を妊娠した時に、大河を引き取る事になり家がごたついていた。
それで2人は引き裂かれたとは聞いている。
順風満帆な人生ではないはずで、
彼には彼にしかわからない苦労があったはずで、
見かけだけでは判断してはいけない事はわかっている。
わかっているが、自分で入れたお茶を優雅に飲む大河を見ていると、なんとも言えない気持ちになる。
飲み頃になったお茶を、風情のある庭を眺めながら飲む。
なんて贅沢な時間なのだろう。