月とスッポン  牛に引かれて
「少し仕事をしてきますので、先に寝ていてください」
「仕事をするなら、私がロビーとかにいましょうか?」
「茜は部屋から出ないで下さいね」

鍵をしっかりと握りしめながら言わないでほしい。
なんか怖い。

「多少の騒音はあった方が、作業が進むので気にしないで下さい。茜はゆっくりと温泉にでも使って疲れを癒して下さい」

カフェとかの方が勉強が進む。

そんな事を海も言っていたことを思い出し納得する。

「硫黄系の温泉で神経痛・筋肉痛・運動麻痺・打ち身、くじき・冷え性・疲労回復・健康増進等の効能がありますので、
肩まで浸かって温まったら、ちゃんとベッドで寝るんですよ」
「あれは、柔らかすぎるベッドがいけないんです!」

一言余分なんだよ!と思い、反論するが

「そういう事にしておきます」

大河は笑いながら、仕事道具と思われる物を手に出て行った。

私がゆっくり温泉を堪能出来るようにと、大河の心遣いに感謝の意を表し今日の余計な一言を無かった事にしてあげようではないか。

疲れた体を温泉で癒してからゆっくりしよう
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