月とスッポン  牛に引かれて
「大阪城や小田原城が復興天守ですね。天守の規模や位置はかつての天守とほとんど同じですが、天守の詳細な資料が不足しているため、意匠などに推定部分があり、外観が正確に復元されていない天守になります。また、復興天守は戦後の経済復興を象徴するものとして建てられたり、観光資源として建てられたりしたのがほとんどだそうです。最後の模擬天守は、もともとは天守を持っていなかった城郭や、天守があったかどうか不明の城に、近現代になって建てられた天守の事で、天守が存在していることは分かっているものの、かつてあった場所とは別の場所に建てられた天守や、再建された天守が築城年代の様式とは全く異なった形式である場合も、模擬天守と言います。模擬天守は、戦後復興や町おこしのシンボルが必要という目的から建てられる場合がほとんどですね」
「お城にもいろいろあるんですね」

うん、色々種類がある事はわかった。

「そうですね。現存天守は必ずしも創建当時の建物をそのまま保存しているというわけではありません。修復などを繰り返しながら、創建当時のままを維持してきた城をはじめ、付属する一部の建物を焼失または改築した城や、損失したのち、遺材を組み直して再建された城などがあります」

【日本の城】と言う講義を聞いていればあっという間に松本に到着する。
講義からの解放に、ホッと息をはく。


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