幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。

近くに停めてあった車に乗せられ、辿り着いたのはコンシェルジュが常駐してる高級マンション。ずっと混乱していた美夜はカイに手を引かれながら、マンション内を見る余裕すらなかった。

カイの部屋の中に入り、ドアが閉まる音が響いた瞬間ドアに押し付けられ気づいたらキスをされていた。初めて、と言った美夜に気を遣い触れるだけの優しいキスから、舌を絡ませ合う激しいものに変わっていく。

「んっ…ふっ…!」

上手く息が出来なくて苦しかったが、寧ろ嬉しい。同情心からだとしても、ちゃんと自分を1人の女として扱ってもらえて。

カイの寝室は大きなベッドと本棚が置かれてるシンプルな部屋だったが、じっくり見る余裕なんて与えられない。性急な手つきで服を剥ぎ取られ、同じく服を脱ぎ捨てたカイの引き締まった身体を前に思わず目を逸らす。

目を逸らすなと、覆い被さってきたカイの無骨な手が美夜の全身を這う。カイの手によって与えられる快感は、強張っていた美夜の身体を開いていく。

「っ!…」

その時が訪れた時、凄まじい痛みが身体を貫いた。目に涙を浮かべ、唇を引き結んで耐える美夜の顔中に優しいキスの雨が落ちてくる。

「痛いか?」

美夜はフルフルと首を振った。痛いけれど厭うものではない。好きな人に与えられた、幸福を齎す痛みだ。泣きそうになる程嬉しかったが、泣いたらまた心配させてしまうだろう。

揺さぶられる中美夜はカイが何かに耐えるように目を瞑り、荒々しく息を吐いているのに気づく。

< 17 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop