幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。
恐らく美夜を気遣っているのだ。

(好きにして、いいのに)

心の中で呟いたのが口から漏れていたらしい。低く熱を孕んだ声で「煽るな」と言われ、思わず彼の首に腕を回して身体を押し付けた。その瞬間、彼の中の理性の糸が切れたらしい。

そこから先はもう、彼のぶつけてくる激情に翻弄されるままだった。

「美夜っ…」

欲情した男の声で自分の名を呼ぶカイに、離れたくないとばかりに美夜は彼に全身で縋り付く。

(…今死んでもいいってくらい幸せ)

美夜は満たされた心地のまま、意識を手放した。



< 18 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop