幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。
「俺は一度きりのつもりで君…美夜を抱いたわけではない。確実に俺のものにするために抱いた」

カイは愛おしげに美夜の頬を撫でる。

「初めて会った時から、ずっと美夜のことが頭から離れなかった…俺は7つも上だし、ただの常連に好意を向けられても迷惑だろうと伝えるつもりはなかったんだが…婚約すると聞いて手段を選んでる場合じゃないと思ったんだ」

自分は夢でも見てるのだろうか、と美夜は目の前の光景が信じられなかった。実はさっき死んだ美夜に神様が見せてる夢だと言われた方が納得出来る。

「…夢ですか?」

「現実だ」

カイが頬をやんわりと引っ張る。少し痛い、現実のようだ。

「俺の告白を夢扱いは困る。自分から告白するなんて初めてで、かなり緊張しているんだから」

「カイさんが?…やっぱり夢」

「だから現実だ、疑り深いな」

「だって、好きな人に好きって言われるなんて夢だと思う…」

「…俺のことが好きなのか」

「好きじゃなかったら、抱いてなんていいませ…あっ」

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