幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。
今では折り合いをつけて、「カッコいい常連さん」として接してる。カイへの気持ちを忘れるために出会いを求めてる節すらあったかもしれない。恋をしたいと、殊更思うようになったかもしれない。
振られ続けるのは、美夜の打算的な部分が相手にバレたから…いや、やはり魅力がないからだろう。美夜は心の中で改めて結論づける。
「…実は課題が多くて、遅くまでやってたから寝不足なんですよ」
そしてカイとオーナーを心配させないために、嘘だとバレない範囲で誤魔化す。幸いオーナーは不審がることなく、「大学生大変だなー、まあ無理はするなよ。シフトも体調に合わせて調整するから」と気遣ってくれてほんの少し良心が痛む。
一方カイは…何も言わずにこっちを見ている。美夜の説明に納得してないのだろう、探られるような視線に緊張してきた。が、彼は追求するつもりはないのか「そうだな、睡眠不足は良くない。ちゃんと休め」と労りの言葉をかけてくれた。
(…私が彼氏欲しさに合コン行きまくってるって知ったらどうするのかな)
美夜の外見から、進んで異性との出会いを求めるようには見えないから驚かれはするだろう。
オーナーもカイも恐らく30近い大人の男性。20歳の大学生の悩みなんて赤子の手をひねるが如く。2人とも優しいので現実的な解決策を提示してくれると思うが、簡単に打ち明ける気になれない。
オーナーはともかく、如何にも真面目そうなカイは良い印象を抱かないかもしれない。下手をすれば遊んでる、と幻滅される可能性も。
(…悪い印象を抱かれたら、こんな風に話してもくれなくなりそう)
想像しただけで、胸が痛い。美夜はそんな選択肢を取ることは絶対しない。
だから今日もただのバイトの大学生として、彼と話すのだ。
「けど桜井さん、シフトたくさん入ってくれるのは有難いけどプライベートは大丈夫?友達付き合いとか、彼氏…あ、ごめんこういうの聞いちゃ駄目か」
言った瞬間オーナーが申し訳なさそうに謝る。美夜は動揺を顔に出さないようにしたが、物凄く驚いていた。このタイミングで触れられるとは思わなかったからだ。
「大丈夫です、友達付き合いは出来てます。彼氏は…居ないので」
「そうなの?」
意外だ、と言いたげなニュアンスを含んだオーナーはチラリとカイを一瞥する。単純な美夜はお世辞とはいえ彼氏が居ないのが意外、と言われてほんの少しだけひび割れている自尊心の傷が塞がった。
振られ続けるのは、美夜の打算的な部分が相手にバレたから…いや、やはり魅力がないからだろう。美夜は心の中で改めて結論づける。
「…実は課題が多くて、遅くまでやってたから寝不足なんですよ」
そしてカイとオーナーを心配させないために、嘘だとバレない範囲で誤魔化す。幸いオーナーは不審がることなく、「大学生大変だなー、まあ無理はするなよ。シフトも体調に合わせて調整するから」と気遣ってくれてほんの少し良心が痛む。
一方カイは…何も言わずにこっちを見ている。美夜の説明に納得してないのだろう、探られるような視線に緊張してきた。が、彼は追求するつもりはないのか「そうだな、睡眠不足は良くない。ちゃんと休め」と労りの言葉をかけてくれた。
(…私が彼氏欲しさに合コン行きまくってるって知ったらどうするのかな)
美夜の外見から、進んで異性との出会いを求めるようには見えないから驚かれはするだろう。
オーナーもカイも恐らく30近い大人の男性。20歳の大学生の悩みなんて赤子の手をひねるが如く。2人とも優しいので現実的な解決策を提示してくれると思うが、簡単に打ち明ける気になれない。
オーナーはともかく、如何にも真面目そうなカイは良い印象を抱かないかもしれない。下手をすれば遊んでる、と幻滅される可能性も。
(…悪い印象を抱かれたら、こんな風に話してもくれなくなりそう)
想像しただけで、胸が痛い。美夜はそんな選択肢を取ることは絶対しない。
だから今日もただのバイトの大学生として、彼と話すのだ。
「けど桜井さん、シフトたくさん入ってくれるのは有難いけどプライベートは大丈夫?友達付き合いとか、彼氏…あ、ごめんこういうの聞いちゃ駄目か」
言った瞬間オーナーが申し訳なさそうに謝る。美夜は動揺を顔に出さないようにしたが、物凄く驚いていた。このタイミングで触れられるとは思わなかったからだ。
「大丈夫です、友達付き合いは出来てます。彼氏は…居ないので」
「そうなの?」
意外だ、と言いたげなニュアンスを含んだオーナーはチラリとカイを一瞥する。単純な美夜はお世辞とはいえ彼氏が居ないのが意外、と言われてほんの少しだけひび割れている自尊心の傷が塞がった。