幼馴染から助けてくれた常連さんに囲い込まれました。
7月の頭、すっかり暑くなってきたある日。テスト期間が近づいてきたのでバイトのシフトを減らし、友人と図書館で勉強して帰った時のこと。珍しく既に帰宅していた父に帰って早々、リビングに呼び出される。
「…ごめん、今なんて言ったの?」
美夜は話の内容が理解出来ずに聞き返す。
「青山社長から和樹くんと美夜を婚約させてはどうかと言われたんだ」
(……は?)
婚約、和樹…美夜はその単語が耳に入った瞬間思考が停止してしまった。だから聞き返したのだが、残念ながら聞き間違いではなかったらしい。瞠目して固まってる美夜を尻目に母は笑顔で相槌を打っている。
「…何でそんな話が?」
かろうじて口に出来たのはこれだけ。父は顎に手を当てて続きを話す。
「和樹くんも大学2年、そろそろ婚約者をという話が出ていたらしい。親族の集まりで改めて婚約者についての話題が出た時、彼が言ったそうだ、幼馴染の美夜と付き合っていて婚約するつもりだと。社長は無理に政略結婚させるより、どうせなら和樹くんの望む相手と結婚させたかったようだからとても喜んでいたよ」
「は?」
「…ごめん、今なんて言ったの?」
美夜は話の内容が理解出来ずに聞き返す。
「青山社長から和樹くんと美夜を婚約させてはどうかと言われたんだ」
(……は?)
婚約、和樹…美夜はその単語が耳に入った瞬間思考が停止してしまった。だから聞き返したのだが、残念ながら聞き間違いではなかったらしい。瞠目して固まってる美夜を尻目に母は笑顔で相槌を打っている。
「…何でそんな話が?」
かろうじて口に出来たのはこれだけ。父は顎に手を当てて続きを話す。
「和樹くんも大学2年、そろそろ婚約者をという話が出ていたらしい。親族の集まりで改めて婚約者についての話題が出た時、彼が言ったそうだ、幼馴染の美夜と付き合っていて婚約するつもりだと。社長は無理に政略結婚させるより、どうせなら和樹くんの望む相手と結婚させたかったようだからとても喜んでいたよ」
「は?」