仮婚クローバー〜副社長は初恋の秘書にご執心〜
私はそのまま家に帰ることなど到底できずコンビニで缶チューハイを3缶買い、たまたま目についた公園のベンチに座った。すぐにプルタブを開けてカルピス酎ハイを一気飲みする。
「ぐす……っ、人生でいちばん最悪の誕生日……」
金曜の夜だからだろうか、公園には誰もおらず、公園前の道路には仲良く肩を寄せ合い歩くカップルの笑い声が聞こえてきて虚しくなる。
「うっ……ひっく……」
私は涙を拭きながら右手にレモン酎ハイ、左手にブドウ酎ハイをもってゴクゴクと喉を鳴らして胃に流し込んでいく。はっきりいってお酒は好きだが弱い。でも今日だけは飲んでこんな悲しく惨めな記憶は飛ばしてしまわなければやってられない。
「……悲しいこと悲しいこと飛んでいけ……っ……」
いままでも悲しいことがあるたびにこうやって、おまじないを唱えて自分を慰め奮い立たせてきた。
「ダメだ……しゅうちゃんのおまじないも全然効かない……今日ばっかりは……悲しいよ……ひっく……」
──ブルッ
「え?」
私はスマホが震えたことに気づいて慌てて鞄に中に手を入れる。
(もしかして博樹?)
「ぐす……っ、人生でいちばん最悪の誕生日……」
金曜の夜だからだろうか、公園には誰もおらず、公園前の道路には仲良く肩を寄せ合い歩くカップルの笑い声が聞こえてきて虚しくなる。
「うっ……ひっく……」
私は涙を拭きながら右手にレモン酎ハイ、左手にブドウ酎ハイをもってゴクゴクと喉を鳴らして胃に流し込んでいく。はっきりいってお酒は好きだが弱い。でも今日だけは飲んでこんな悲しく惨めな記憶は飛ばしてしまわなければやってられない。
「……悲しいこと悲しいこと飛んでいけ……っ……」
いままでも悲しいことがあるたびにこうやって、おまじないを唱えて自分を慰め奮い立たせてきた。
「ダメだ……しゅうちゃんのおまじないも全然効かない……今日ばっかりは……悲しいよ……ひっく……」
──ブルッ
「え?」
私はスマホが震えたことに気づいて慌てて鞄に中に手を入れる。
(もしかして博樹?)