仮婚クローバー〜副社長は初恋の秘書にご執心〜
四つ葉の王子様がやってきた
月曜日──私は戸惑いと不安を抱えながら出社すると自分のデスクのパソコンを起動させる。出社すれば各自メールを確認することから始まるのだが、今日の私は朝から社内メールに釘付けだ。そこには本日付で四葉修哉が副社長として就任すること、また彼の簡単な経歴と自己紹介について書かれている。
(修哉って四か国語話せるんだ。それにイタリア留学経験に……ロス支社ではクローバーデザイン全体の五割を占める売り上げを叩きだしてるなんて……)
私は一通り社内メールに目を通すと静かに息を吐きだした。
(やっぱり……いくら修哉がああ言ってたとしても丁重にお断りするべきかも……)
その時──事務所の扉が開くと聞きたくないピンヒールの音が聞こえてくる。
「恋先輩〜おはようございまぁす」
「……おはよう」
未希は私の横の自分のデスクに腰かけると、すぐに私の方へ椅子を寄せ小さな声で話しかけてくる。
「博樹のこと、すみませんでした~。ずっと心苦しかったんですけど~博樹から〜恋先輩も分かってくれたって聞いてほっとしてますぅ」
(心苦しい? わかってくれた? 馬鹿にしないでよ……っ)
何一つ消化できないまま博樹に勝手に別れを告げられた上に、朝から未希の勝ち誇った顔を見ていると悔しさからやっぱり涙が出そうになる。
(絶対泣くもんか……)
(修哉って四か国語話せるんだ。それにイタリア留学経験に……ロス支社ではクローバーデザイン全体の五割を占める売り上げを叩きだしてるなんて……)
私は一通り社内メールに目を通すと静かに息を吐きだした。
(やっぱり……いくら修哉がああ言ってたとしても丁重にお断りするべきかも……)
その時──事務所の扉が開くと聞きたくないピンヒールの音が聞こえてくる。
「恋先輩〜おはようございまぁす」
「……おはよう」
未希は私の横の自分のデスクに腰かけると、すぐに私の方へ椅子を寄せ小さな声で話しかけてくる。
「博樹のこと、すみませんでした~。ずっと心苦しかったんですけど~博樹から〜恋先輩も分かってくれたって聞いてほっとしてますぅ」
(心苦しい? わかってくれた? 馬鹿にしないでよ……っ)
何一つ消化できないまま博樹に勝手に別れを告げられた上に、朝から未希の勝ち誇った顔を見ていると悔しさからやっぱり涙が出そうになる。
(絶対泣くもんか……)