仮婚クローバー〜副社長は初恋の秘書にご執心〜
縮まる距離
「乾杯」
「お疲れ様です」
「恋」
「あ……えっと、お疲れ様」
タクシーで移動中も修哉と会話するたびに、私は修哉から敬語を注意されていた。
当たり前だが会社では敬語を使うことに慣れている私は、婚約者以前に副社長であり直属の上司をなった修哉への敬語がプライベートでもなかなか直らない。
修哉が優しく微笑むのを見ながら私たちは、駅前の立ち飲み屋でグラスを合わせた。
修哉がネクタイを緩めてビールを喉を鳴らしながら飲む姿は何だか色っぽい。
「本当にここで良かったのか?」
「あ、うん。イタリアンとかよりはこういうお店の方が気楽っていうか……あの、ごめんね……修哉からしたら嫌だったかも、って今ふと思って……」
「全然嫌じゃない。むしろ小さい頃は俺にとってラーメンを食べに行くのがごちそうだったしな」
「え、そうなの?」
「ああ、だからロスでも月に一度はラーメンを食べに行ってたよ。なんか堅苦しいところよりは、ほっとするしね」
「それなら良かった……」
「恋の好きな食べ物はなんだ?」
「え?」
「お疲れ様です」
「恋」
「あ……えっと、お疲れ様」
タクシーで移動中も修哉と会話するたびに、私は修哉から敬語を注意されていた。
当たり前だが会社では敬語を使うことに慣れている私は、婚約者以前に副社長であり直属の上司をなった修哉への敬語がプライベートでもなかなか直らない。
修哉が優しく微笑むのを見ながら私たちは、駅前の立ち飲み屋でグラスを合わせた。
修哉がネクタイを緩めてビールを喉を鳴らしながら飲む姿は何だか色っぽい。
「本当にここで良かったのか?」
「あ、うん。イタリアンとかよりはこういうお店の方が気楽っていうか……あの、ごめんね……修哉からしたら嫌だったかも、って今ふと思って……」
「全然嫌じゃない。むしろ小さい頃は俺にとってラーメンを食べに行くのがごちそうだったしな」
「え、そうなの?」
「ああ、だからロスでも月に一度はラーメンを食べに行ってたよ。なんか堅苦しいところよりは、ほっとするしね」
「それなら良かった……」
「恋の好きな食べ物はなんだ?」
「え?」