真実
「ねぇ、いいよ…?」
あたしは隼人を試すんだ…
「何言ってんだよ…」
いつも軽い隼人が急に真剣な顔になった。
「あのなぁ!俺はそんなに軽いやつじゃねぇんだぜ? 本気で好きなやつとしかやんね~の!」
違うっていうの?隼人は今までの男とは違うの?
…信じていいんだよね?
「そっか。見直した♪じゃあ、あたし帰るね!」
「おう!また明日な。」
ドキッ…
え…?今あたしドキッて… 嘘だ、あたしに好きな人なんて出来る訳ない。
あたしは隼人の家の玄関を勢いよく開けて、走りだした。
騙されちゃ駄目。どうせ隼人だって他の男と一緒だよ?
バサッ
「いったぁーい!」
あたしは落ちていた空き缶につまずいて、勢いよく転んでしまった。
「もうやだ……。」
なぜか涙が溢れてきた。会いたい… 隼人。 さっき会ったばかりなのに、もう会いたくなってる…
好き…。
認めたくなかった…
でもそれは紛れもない真実で…
キキーッ
「美紀!大丈夫か!?」