Lecker
「面白い。やろうじゃないか!」

シュリュッセルではなく、ファーデンが強気に答えた。



屋敷に戻り、心配そうなゾンネとヴァイスにファーデンが説明をすると、「ファーデン様が「やる」って言ってどうするんですか」とヴァイスが呆れる。隣でゾンネも頷いており、ファーデンは「うっ……」と言いながら俯いた。

「いや、ムカついてしまってつい……。あいつどこでシューのことを嗅ぎつけたんだか」

モニョモニョと言うファーデンはまるで悪戯が見つかった子どものようだ。自分の居場所を賭けた戦いが行われるというのに、シュリュッセルは笑ってしまった。

「シュー」

全員の目がシュリュッセルに向けられる。彼は笑顔で「ありがとうございます、ファーデン様」と言った。

「正直、とても怖かったです。助けに来てくれたから僕はここにいます。ありがとうございました」

「いいのか?私が勝手に勝負を引き受けてしまったわけだが……」

「構いません。料理で負ける気はしませんから!」
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