Lecker
Aと書かれた紙が貼られたテーブルには、トマトのカプレーゼ、カリフラワーとゴボウのポタージュ、海老とマッシュルームのアヒージョ、子牛のステーキ、プチチーズのピンチョス、ズコットが用意されていた。華やかで高いレストランに並んでいるような料理ばかりである。

一方Bと書かれた紙が貼られたテーブルには、小松菜・にんじん・椎茸・チキンのサラダ、かぼちゃ豆乳スープ、サーモンのソテー、照り焼きチキン、チーズボール、様々な味のジェラートが用意されていた。時間をかけて作るものは少なく、簡単にできる料理が多い。

「え〜、どっちから食べる?」

「私はAの方かな?豪華だし」

「だよね〜。Bはうちらでも作れるよね」

「でも自分で作ることを考えたらどうだろう……」

人々は話しながら料理を口に運ぶ。そして一人、また一人と投票箱にどちらがおいしいかを入れていった。



一年後ーーー。

今日はファーデンとモーントの誕生日である。そのため誕生日パーティーを会場を借りて行うことになった。会場の厨房にてシュリュッセルとラントカルテは料理を作る。
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