Lecker

今日の朝ご飯は、豚肉とカブのコンソメスープの他にフレンチトースト、林檎とアボカドのサラダだ。今にもよだれを垂らしてしまいそうな二人にシュリュッセルは苦笑しながら言う。

「二人とも、ご飯テーブルに運んでくれない？冷めちゃうよ」

「わかった！任せろ！」

「私も運ぶわ！」

ヴァイスは指を鳴らす。するとサラダとフレンチトーストが盛り付けられたお皿がふわりと浮き上がり、テーブルへと運ばれていく。

ゾンネは杖を取り出し、何やら呪文を唱えた。するとスープの入った大鍋がふわりと浮き上がる。そしてシュリュッセルの背後のシンクにあった洗い物が勝手に洗われていく。

「ゾンネ、ヴァイス、ありがとう！」

シュリュッセルが驚くことなくお礼を言うと、ヴァイスが「シューが洗い物してたら料理が冷めちゃうからな」と笑った。ゾンネもクスクスと笑い、釣られてシュリュッセルも笑う。

三人が食事をする部屋へと行くと、そこにはすでに一人の男性がいた。マントのついた豪華な衣装に身を包んだ男性の頭には、二つの大きな角がある。しかしシュリュッセルは怯えることなく、笑みを浮かべた。