Lecker
シュリュッセルは自分を捕らえた少年を見上げ、訊ねる。しかし少年は無表情のまま何も答えなかった。その時、「捕らえたか」と低い声がした。すると少年が跪き、口を開く。
「はい!こちらが例の人間にございます!」
シュリュッセルの前に赤い髪の男性が姿を見せる。豪華な衣装を身に纏い、その頭にはファーデンのような角があった。
「あなたは誰ですか?」
「私はモーント。魔界を治める魔王の一人だ。こっちは魔法使いのラントカルテ。私の部下だ」
モーントはシュリュッセルに近付く。彼は逃げようと身を捩るものの、手足に巻き付いた鎖がそれを許さない。モーントは困ったように笑った。
「怖がらせてすまない。別に君に危害を加えたいわけではないんだ」
「では、何が目的なんですか?」
「人間を魔界に連れて来るのは魔王と言えど御法度だ。君を人間界に戻した後、ファーデンには相応の罰を与えなくてはならない」
「やめてください!!」
シュリュッセルは大声を上げる。人間界に彼の居場所はない。居場所のなかったシュリュッセルを救ったのはファーデンだ。
「はい!こちらが例の人間にございます!」
シュリュッセルの前に赤い髪の男性が姿を見せる。豪華な衣装を身に纏い、その頭にはファーデンのような角があった。
「あなたは誰ですか?」
「私はモーント。魔界を治める魔王の一人だ。こっちは魔法使いのラントカルテ。私の部下だ」
モーントはシュリュッセルに近付く。彼は逃げようと身を捩るものの、手足に巻き付いた鎖がそれを許さない。モーントは困ったように笑った。
「怖がらせてすまない。別に君に危害を加えたいわけではないんだ」
「では、何が目的なんですか?」
「人間を魔界に連れて来るのは魔王と言えど御法度だ。君を人間界に戻した後、ファーデンには相応の罰を与えなくてはならない」
「やめてください!!」
シュリュッセルは大声を上げる。人間界に彼の居場所はない。居場所のなかったシュリュッセルを救ったのはファーデンだ。