無愛想な末っ子御曹司の溢れる愛
②
透子に手を握られ、春音の気持ちが落ち着いてきた頃、再び処置室のドアがノックされ、女医が顔を出した。
「森川さん、警察の方が話を訊きたいそうだけど、大丈夫?」
「はい」
女医に促され、二人の女性警官が姿を見せると、透子は
「外にいるわね」
そう言って、入ってきた女性警察官に一礼し処置室を出て行った。
「治療早々大変恐縮ですが、少し話をお聞かせください」
「はい」
春音がそう答えると、もう一人の女性警察が、持っていたバッグからタブレットを取り出した。
氏名、住所、勤務先、今日一日の行動等、事細かに質問され、春音は丁寧に答えた。
「お怪我をされているのに、お答えくださってありがとうございました」
女性警官は丁寧に頭を下げた。
いったい何人に同じような質問をしているのだろうか? 中には面倒くさがる人や、威圧的な人もいるだろう。答える側より、寧ろ訊ねる警官の方が大変だろうなと、春音は同情した。
『でも、あの男性はどうだろう?きっと問答無用で答えさせるんだろうな』
ふと男性の氷のような冷たい眼が浮かんだ。
「あのぅ…… 犯人を捕まえた男性は……」
春音は無意識に質問していた。
「森川さん、警察の方が話を訊きたいそうだけど、大丈夫?」
「はい」
女医に促され、二人の女性警官が姿を見せると、透子は
「外にいるわね」
そう言って、入ってきた女性警察官に一礼し処置室を出て行った。
「治療早々大変恐縮ですが、少し話をお聞かせください」
「はい」
春音がそう答えると、もう一人の女性警察が、持っていたバッグからタブレットを取り出した。
氏名、住所、勤務先、今日一日の行動等、事細かに質問され、春音は丁寧に答えた。
「お怪我をされているのに、お答えくださってありがとうございました」
女性警官は丁寧に頭を下げた。
いったい何人に同じような質問をしているのだろうか? 中には面倒くさがる人や、威圧的な人もいるだろう。答える側より、寧ろ訊ねる警官の方が大変だろうなと、春音は同情した。
『でも、あの男性はどうだろう?きっと問答無用で答えさせるんだろうな』
ふと男性の氷のような冷たい眼が浮かんだ。
「あのぅ…… 犯人を捕まえた男性は……」
春音は無意識に質問していた。