無愛想な末っ子御曹司の溢れる愛
「お帰りなさい」
てっきり眠っているとばかり思っていた春音が目の前で微笑んでいる。
「お疲れさま」
しかも労いの言葉つきだ。思わず口元が緩む。
「ただいま、もう起きたのか?」
春音はゆっくりとかぶりを振った。
「眠れなかったの」
「もしかしてまた思い出したのか? 独りにして悪かった」
「ううん、違うの。そうじゃない」
「違う?」
春音はこくりと頷いた。
『まさか、兄貴と透子さんの結婚がショックで眠れなかったとか? 頼むからそんな理由はやめてくれ』
このままでは余計なことを言ってしまうと考えた湊人は、
「風呂入るわ」
そう言って浴室に逃げ込んだ。
その様子に春音は不安を覚える。
『なんだか避けられてるみたい。どうしよう……』
何か食べるだろうかと、食事を準備するためにキッチンに立っていた春音だが、浴室のドアが開いた瞬間、ベッドに飛び乗り、布団に潜り込んだ。
「春音? 寝たのか?」
『話したい、何か話したい。でも、何を話せばいいんだろう。共通の話題……そうだ』
「透子さん、おめでたなんて全然気づかなかったね。二人とも凄く幸せそうだった」
その時、全身を覆っていた布団が勢いよく捲られ、湊人が覆い被さり、春音を組み敷いた。
てっきり眠っているとばかり思っていた春音が目の前で微笑んでいる。
「お疲れさま」
しかも労いの言葉つきだ。思わず口元が緩む。
「ただいま、もう起きたのか?」
春音はゆっくりとかぶりを振った。
「眠れなかったの」
「もしかしてまた思い出したのか? 独りにして悪かった」
「ううん、違うの。そうじゃない」
「違う?」
春音はこくりと頷いた。
『まさか、兄貴と透子さんの結婚がショックで眠れなかったとか? 頼むからそんな理由はやめてくれ』
このままでは余計なことを言ってしまうと考えた湊人は、
「風呂入るわ」
そう言って浴室に逃げ込んだ。
その様子に春音は不安を覚える。
『なんだか避けられてるみたい。どうしよう……』
何か食べるだろうかと、食事を準備するためにキッチンに立っていた春音だが、浴室のドアが開いた瞬間、ベッドに飛び乗り、布団に潜り込んだ。
「春音? 寝たのか?」
『話したい、何か話したい。でも、何を話せばいいんだろう。共通の話題……そうだ』
「透子さん、おめでたなんて全然気づかなかったね。二人とも凄く幸せそうだった」
その時、全身を覆っていた布団が勢いよく捲られ、湊人が覆い被さり、春音を組み敷いた。