無愛想な末っ子御曹司の溢れる愛
⑤
欅の木に装飾されたイルミネーションが、けやき通りを美しく輝かせている。
春音と迎える初めてのクリスマスシーズンだ。
湊人にはサプライズ計画がある。そのためには潤人の協力が必要だった。スマホの通話ボタンをタップする。
「もしもし兄貴? 頼みがあるんだけど」
「お前から頼みなんて嬉しいねぇ。で、何だ?」
「兄貴の別荘貸して。12月13日と14日」
「ふたご座流星群か?」
「そう。よくわかったね」
「星好きのお前のことだ。そのくらいは想像がつく。いいぞ、鍵取りに来い」
「ありがとう」
12月13日の深夜から14日の未明にかけて、三大流星群の一つ、ふたご座流星群の活動が極大を迎える。
大きな窓付きの屋根裏部屋がある潤人の別荘は、観測するには絶好の場所だ。
いつも独りで観測していた湊人には、寝袋があれば十分だったが、今回は春音とふたり。
春音を極寒に晒すわけにはいかない。寒さを凌ぎながら、寝転がって観測できる潤人の別荘を借りることにしたのだ。
ハウスキーパーが定期的に掃除をしているため、いつでも使えるようになっている。
この日も食材を持ってくるだけで十分だった。
春音と迎える初めてのクリスマスシーズンだ。
湊人にはサプライズ計画がある。そのためには潤人の協力が必要だった。スマホの通話ボタンをタップする。
「もしもし兄貴? 頼みがあるんだけど」
「お前から頼みなんて嬉しいねぇ。で、何だ?」
「兄貴の別荘貸して。12月13日と14日」
「ふたご座流星群か?」
「そう。よくわかったね」
「星好きのお前のことだ。そのくらいは想像がつく。いいぞ、鍵取りに来い」
「ありがとう」
12月13日の深夜から14日の未明にかけて、三大流星群の一つ、ふたご座流星群の活動が極大を迎える。
大きな窓付きの屋根裏部屋がある潤人の別荘は、観測するには絶好の場所だ。
いつも独りで観測していた湊人には、寝袋があれば十分だったが、今回は春音とふたり。
春音を極寒に晒すわけにはいかない。寒さを凌ぎながら、寝転がって観測できる潤人の別荘を借りることにしたのだ。
ハウスキーパーが定期的に掃除をしているため、いつでも使えるようになっている。
この日も食材を持ってくるだけで十分だった。