視線の先にあるものは
「由奈、お昼一緒食べよ。」
クラスメイトで幼馴染の智ちゃんがお弁当を持って近くの席に座る。
梅雨でも関係なく、いつも快晴!みたいな智ちゃんはとても頼りになる。
「ねえ、橘君ってさ、いつも授業聞いてないように見えるのに、指されたらちゃんと先生の質問に答えられるのすごいよね。どうやってるのかな。」
智ちゃんが少し顔をしかめる。周りに人がいないことを確かめ、声をひそめた。
「橘君かー。確かにイケメンだとは思うけど。玲奈たちがさ、話しかけてもほとんど話してくれないって前騒いでたでしょ。ちょっと冷たい感じじゃない。観賞用にはいいかもしれないけど彼氏には向いてなさそう。」
「別にそんなんじゃないよ。ただすごいなーと思って。」
「私は楽しくおしゃべりできる人の方がいいけどなー。」
「だからそんなんじゃないってば。」
手を振って否定する際、不意に右腕が痛んだ。
「痛っ。」
「どうしたの?大丈夫?」
「うん、なんでもない。」
そっとカーディガンの上から腕を抑える。
それ以上橘君の話が出ることはなく、昼休みが終わった。
クラスメイトで幼馴染の智ちゃんがお弁当を持って近くの席に座る。
梅雨でも関係なく、いつも快晴!みたいな智ちゃんはとても頼りになる。
「ねえ、橘君ってさ、いつも授業聞いてないように見えるのに、指されたらちゃんと先生の質問に答えられるのすごいよね。どうやってるのかな。」
智ちゃんが少し顔をしかめる。周りに人がいないことを確かめ、声をひそめた。
「橘君かー。確かにイケメンだとは思うけど。玲奈たちがさ、話しかけてもほとんど話してくれないって前騒いでたでしょ。ちょっと冷たい感じじゃない。観賞用にはいいかもしれないけど彼氏には向いてなさそう。」
「別にそんなんじゃないよ。ただすごいなーと思って。」
「私は楽しくおしゃべりできる人の方がいいけどなー。」
「だからそんなんじゃないってば。」
手を振って否定する際、不意に右腕が痛んだ。
「痛っ。」
「どうしたの?大丈夫?」
「うん、なんでもない。」
そっとカーディガンの上から腕を抑える。
それ以上橘君の話が出ることはなく、昼休みが終わった。