年下の彼はキャラメルナッツ〜NTR女子は癒しのイケメン男子との縁を再び手繰り寄せる
しかし、最近ではSNS映えするカフェや
オシャレな居酒屋も増えている

今日は、その中でもハワイの雰囲気や
メニューを売りにしているお店にした
店中に入るとハワイアンミュージックが流れ
さまざまな観葉植物の緑が心地良い

「もう過ぎちゃったけど、この季節、半夏生とか言うの、タコ食べる習慣あるんだって」

「何ソレ?聞いたことない」

店員を呼ぶ

「タコを使ったハワイアンなんてあります?」

「ハワイアンスパイシーマヨポケだと
薄切りのタコが入っています」

「じゃあそれで」

アロハシャツを着た店員にオーダーを伝えると
典子はやや小声で

「慰謝料をふんだくってやればよかったね亅

「だね、でも、子供が生まれるんじゃ、お金に余裕なんてないんじゃない?引越し祝い…
いや、手切れ金に冷蔵庫くれたけど」

「冷蔵庫…?」

「冷蔵庫、結構デカい、てか前のが壊れて買った
ばっかりだった亅

「はぁ〜?よくわからんけど、前の奴との思い出がある冷蔵庫とか大丈夫なん?」

「ププッ、たしかに亅

「早く良い奴見つけて、結婚しろよ
でも、そいつと使う冷蔵庫は俺が買ったけどな、
って冷蔵庫マウント?一種の未練?亅

「きっとそこまで考えてないよ〜
それに、冷蔵庫に罪は無いのですよ亅

「てか、案外立ち直りが早いよね、沙夜亅

「うーん…4年ってさ、
やっぱ長いよね、長すぎた春ってやつ」

「あらあら、冷静に分析しちゃって亅

竜一と香那、私の三人で、1度だけ膝を突き合わせて
話をした時

「竜一くんと2度と会わないで、私のお腹には
彼の赤ちゃんがいるの亅

彼女の勝ち誇ったような顔
それを見た時、竜一への思いは
すっかり冷めていた
< 3 / 58 >

この作品をシェア

pagetop