年下の彼はキャラメルナッツ〜NTR女子は癒しのイケメン男子との縁を再び手繰り寄せる

晩夏

「お似合いだから」
マスターのその一言で
沙夜は長い間、胸の奥に刺さっていた棘が
ポロリと取れた気がした

4年前、買い物先で姉弟に間違われた時の
自分の凹みっぷりを思い出し
思わず口元が緩む

もう気にしなくていいのかな

今度こそちゃんと向き合って付き合えるかな?

そう思うと嬉しくなった

自分でも単純だと思うけど

メッセージアプリ…

そうだ、ブロックしたままだった

そこまでしなくても
良かったのかもしれないけど
あの時は、何となくそうするのが
良いような気がして


沙夜は家に戻ってメッセージアプリを開く
削除できなかった彗のアカウント
ブロックを解除した

沙夜の返事は決まっている

ただ、何と返事をするか…

返事ができないまま
公園での出会いから2週間が
経とうとしていた


そんな中、沙夜には異動の内示がでた
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