年下の彼はキャラメルナッツ〜NTR女子は癒しのイケメン男子との縁を再び手繰り寄せる
◇◇◇◇

沙夜が目を覚ますと外は白み始めていて
カーテンの隙間から光が見える

「(あのまま眠っちゃったんだ…彗は…)」

ソファを見ると、彗が寝息をたてている
時計を見ると5時を回った所だった

沙夜はTシャツ姿で
腰から下にかかっている夏掛けは
彗が掛けてくれたのだと気づく

彗を起こさないよう、そっと起きると
シャワーを浴びると
薄手のコットン生地のルームウェアに着替える

「そうだ、彗にもお泊まり用の」

旅行に行った時に宿泊したホテルでもらってきた歯ブラシのセットを出すと洗面台に置きながら

考えてみると、『カレ』と呼べる存在が
沙夜の部屋に泊まりに来るのは初めてだった
学生の頃は、実家通いだったし
あの冷蔵庫、
なんか焦って言い訳しちゃったけど
かえって疑惑深めちゃってない?
もう竜一とはなんでも無いのに
彗って、ミョーに察しの良い時があるから
なんか勘ぐってそう…

「(別に、やましい事はないけど!)」

沙夜は自分の心に言い聞かせると
コーヒー豆の容器に手をかけた

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