心を切りとるは身を知る雨
「私の方こそ。遠慮なく、いつでも来てくださいね」
「あのー、兄って、よく来てます?」
おずおずと尋ねてくる。
「休みの日はいつも来てくださってますよ」
「いっつもいないと思ってたけど、そんなに? ご迷惑かけてます」
まるで、保護者みたいでおかしい。
「学校も始まったので、日曜日ぐらいしか来られないっておっしゃってましたよ。剣道部の顧問もされてるそうですね」
「剣道はやったことないのに引き受けたみたいです。なんでもやれちゃう人だから、大丈夫なんだろうけど」
「素晴らしいお兄さんですね」
にっこりすると、しぐれが困り顔をするから、未央はそのまま首をかしげる。
「どうかされました?」
「切り雨さんって、恋人いるの?」
「いいえ。どうして?」
「うーんと、……兄は人間的にはすごい人だと思うけど、男としてはやめた方がいいかなぁって」
きょとんとすると、しぐれはあわてて付け足す。
「切り雨さんがお姉さんになってくれたらうれしいなぁって思ってるんですよ。でも、私みたいな妹がいたらダメですよね? って、なんかいろいろ矛盾してるな……」
どうやら、しぐれは何か誤解しているようだ。たしかに、朝晴は切り雨へ頻繁に来すぎてはいるけれど。
「あのー、兄って、よく来てます?」
おずおずと尋ねてくる。
「休みの日はいつも来てくださってますよ」
「いっつもいないと思ってたけど、そんなに? ご迷惑かけてます」
まるで、保護者みたいでおかしい。
「学校も始まったので、日曜日ぐらいしか来られないっておっしゃってましたよ。剣道部の顧問もされてるそうですね」
「剣道はやったことないのに引き受けたみたいです。なんでもやれちゃう人だから、大丈夫なんだろうけど」
「素晴らしいお兄さんですね」
にっこりすると、しぐれが困り顔をするから、未央はそのまま首をかしげる。
「どうかされました?」
「切り雨さんって、恋人いるの?」
「いいえ。どうして?」
「うーんと、……兄は人間的にはすごい人だと思うけど、男としてはやめた方がいいかなぁって」
きょとんとすると、しぐれはあわてて付け足す。
「切り雨さんがお姉さんになってくれたらうれしいなぁって思ってるんですよ。でも、私みたいな妹がいたらダメですよね? って、なんかいろいろ矛盾してるな……」
どうやら、しぐれは何か誤解しているようだ。たしかに、朝晴は切り雨へ頻繁に来すぎてはいるけれど。