甘い初恋を、もう一度
なぜか皓大君は、立ち上がると私の頭を撫でる。
それはもう、わしゃわしゃと。

「笑顔が可愛いし、頬っぺたぷにぷにで、いつも甘い匂いがする」


いつもより蕩けるような笑顔を浮かべながら、人差し指で私の頬を突っつく。
蕩ける笑顔というか、顔も赤くて熱に溶けそうな顔をしている。

「……酔っ払ってる?」
「だから言ってんじゃん」

徐々に皓大君が、距離を詰めてくる。

「俺は花月が好きだよ?可愛いし守ってあげたくなっちゃう」
「あの、えーっと……」
「俺も留学しちゃうし、この先心配だよ。まだ花月は未成年だから、俺からは何もできないし……」

はぁ、とため息をつくと、視線を床に向けている。
そして上目遣いで私を見る。その顔が妙に色っぽくて、心臓の音がドキドキ鳴りやまない。

「……何もできない、って?」
「例えばだけど」

彼は私の頭に手を回すと、自らの顔を近づけてくる。
な、なんだ?!と私は驚いて目を見開く。
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