冷酷弁護士の溺愛~お見合い相手は、私の許せない男でした~
 
「玲……愛してる……」

 新居に帰宅し二人きりになった瞬間。
 玲は、激しく、玲の全てを求めるようなキスに、今にも溺れてしまいそうだった。

「待って、亮介さん」
「待たない」
「だめ、シャワーは浴びさせて」
「無理だよ、こんなにいい匂いさせてるのに」
「ほんとに、だめ!」

 顔を真っ赤にしてそう言う玲に、亮介は苦しげに笑う。

「……了解」

 玲は彼の気が変わらないうちにと急いでシャワーを浴び、寝室で彼を待った。

「お待たせ」

 そう声をかけられて顔を上げて、玲はうっとりとした溜め息が出るのを抑えられなかった。

「……かっこいい……」

 普段かっちり固めた髪型が崩れ、彼がこちらを見られているだけで、誘惑されているようだ。

「そんなかわいいこと言わないで。手加減してあげられなくなるよ」

 にっこりと笑う顔にあった大人の余裕は、次の瞬間に消えた。
 彼の手で、寝室のドアは閉められた。
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