愛を知らない僕たちは、殺す事で愛を知る
④
暖かい手に引かれるままに入った図書館は想像より広く、学校では見かけない様な本が沢山あった。
「どんな本が好きなの?」
キョロキョロと辺りを見渡す僕に女の子は笑顔でそう聞いてきた。
「いつも父親が買ってきた本しか読まないから……」
普段読む本さえも僕に選ぶ権利なんてない。
父親が買ってきた特に興味もない本を感想を伝えるためだけにひたすら読み続けるだけ。
父の選ぶ本を面白いと思って読んだ事なんて一度もない。
「そっか、じゃあ今日は君が読みたい本を自分で選んで読めばいいよ!」
静かな空間で小さく控えめに話す女の子の声が妙に耳に、胸に心地良く響いてくる。
「自分で選ぶ……?」
「うん!だってここにはこんなに沢山本があるんだよ?
君が気に入る本も絶対にあるよ!」
自分で選ぶって、どうやって……?
だって僕は今まで自分で何か選んだ事なんてないのに……。
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、
女の子はそのまま僕の手を引いて歩き出す。
「私はね、さっきも言ったけど学校の七不思議シリーズを読むんだー!」
そう言って本棚から1冊の本を手に取る。
表紙は子ども向けのホラーのイラストが描かれている。
いかにも小学生が好きそうな本だ。
「今ね、3冊読んだの。
七不思議シリーズだから後4冊!
でもね、7つ目の不思議を知っちゃったらね、
……呪われちゃうんだよ!」
そう、本当に怖そうに話す女の子に僕は思わず笑ってしまう。
「あー!
信じてないでしょ!?
本当なんだよ!」
今度は少し怒った様な顔をしてそう話す女の子に僕はやっぱり笑ってしまって。
「ごめんごめん、でもそんなに怖いなら最後の1冊だけ読まなければいいんじゃないかな?」
「駄目だよ!
七不思議だもん!
全部読んで七不思議を解明しなきゃ!」
グッと力を込めて拳を握る女の子に僕はやっぱり笑ってしまうけれど、
それは決して馬鹿にした気持ちなんかじゃなく、
何だか羨ましかったから。
本当に純粋にそう思える女の子が、
眩しくて、羨ましくて。
そう思ったら僕は自然と女の子が読んでいる七不思議シリーズの最初の1冊目を手に取っていた。
「じゃあ、僕もこれを読むよ。
急いで読むから、最後の7つ目の不思議は一緒に読もう」
初対面の名前も知らない女の子に何故こんな事を言ったのか分からない。
だけど、本当に不思議だけど自然とそんな事を言っていた。
「本当!?
嬉しい!」
そんな僕に女の子は本当に嬉しそうにそう言って笑った。
その笑顔がやっぱり、
眩しくて、僕は真っ直ぐに女の子を見れなかった。
「どんな本が好きなの?」
キョロキョロと辺りを見渡す僕に女の子は笑顔でそう聞いてきた。
「いつも父親が買ってきた本しか読まないから……」
普段読む本さえも僕に選ぶ権利なんてない。
父親が買ってきた特に興味もない本を感想を伝えるためだけにひたすら読み続けるだけ。
父の選ぶ本を面白いと思って読んだ事なんて一度もない。
「そっか、じゃあ今日は君が読みたい本を自分で選んで読めばいいよ!」
静かな空間で小さく控えめに話す女の子の声が妙に耳に、胸に心地良く響いてくる。
「自分で選ぶ……?」
「うん!だってここにはこんなに沢山本があるんだよ?
君が気に入る本も絶対にあるよ!」
自分で選ぶって、どうやって……?
だって僕は今まで自分で何か選んだ事なんてないのに……。
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、
女の子はそのまま僕の手を引いて歩き出す。
「私はね、さっきも言ったけど学校の七不思議シリーズを読むんだー!」
そう言って本棚から1冊の本を手に取る。
表紙は子ども向けのホラーのイラストが描かれている。
いかにも小学生が好きそうな本だ。
「今ね、3冊読んだの。
七不思議シリーズだから後4冊!
でもね、7つ目の不思議を知っちゃったらね、
……呪われちゃうんだよ!」
そう、本当に怖そうに話す女の子に僕は思わず笑ってしまう。
「あー!
信じてないでしょ!?
本当なんだよ!」
今度は少し怒った様な顔をしてそう話す女の子に僕はやっぱり笑ってしまって。
「ごめんごめん、でもそんなに怖いなら最後の1冊だけ読まなければいいんじゃないかな?」
「駄目だよ!
七不思議だもん!
全部読んで七不思議を解明しなきゃ!」
グッと力を込めて拳を握る女の子に僕はやっぱり笑ってしまうけれど、
それは決して馬鹿にした気持ちなんかじゃなく、
何だか羨ましかったから。
本当に純粋にそう思える女の子が、
眩しくて、羨ましくて。
そう思ったら僕は自然と女の子が読んでいる七不思議シリーズの最初の1冊目を手に取っていた。
「じゃあ、僕もこれを読むよ。
急いで読むから、最後の7つ目の不思議は一緒に読もう」
初対面の名前も知らない女の子に何故こんな事を言ったのか分からない。
だけど、本当に不思議だけど自然とそんな事を言っていた。
「本当!?
嬉しい!」
そんな僕に女の子は本当に嬉しそうにそう言って笑った。
その笑顔がやっぱり、
眩しくて、僕は真っ直ぐに女の子を見れなかった。