極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
1.どうしてもと、言うならば
木浦朱里、二十六歳。
東京都港区にあるネットワークサービスをメインに手広く扱っている大企業のひとつ、シーサイドエルホールディングスのエレクトロニクス事業部企画広報課として働いていた私は、同僚でもあり関連部署でもあったエレクトロニクス営業開発課勤務の畑野亮介と順調な交際をしていた……はずだった。
彼との出会いは少し前。
自身の少し目立つ見た目のせいでやたらと飲まされた飲み会だった。
セーブはしていたつもりだったが、頼んでいたお酒よりも強い酒とすり替えられたのだ。
犯人はおそらく私にベタベタと触ってきていたとある同僚男性。
遊んでいそうだから、自分も。きっとそんな軽い下心だったのだろう。
もちろんその事には一口飲んですぐに気付いた。
だがそんな男に負けたくないと持ち前の負けん気を発揮し必死に飲んだ結果は見るも無惨で、気付けば三つ年上の亮介の家にいたのである。
目覚めた時は見知らぬ天井に焦り、慌てて着衣の乱れを確認し――しっかりと着用したままだったことに安堵した反面、この状況に首を傾げたことを覚えている。
東京都港区にあるネットワークサービスをメインに手広く扱っている大企業のひとつ、シーサイドエルホールディングスのエレクトロニクス事業部企画広報課として働いていた私は、同僚でもあり関連部署でもあったエレクトロニクス営業開発課勤務の畑野亮介と順調な交際をしていた……はずだった。
彼との出会いは少し前。
自身の少し目立つ見た目のせいでやたらと飲まされた飲み会だった。
セーブはしていたつもりだったが、頼んでいたお酒よりも強い酒とすり替えられたのだ。
犯人はおそらく私にベタベタと触ってきていたとある同僚男性。
遊んでいそうだから、自分も。きっとそんな軽い下心だったのだろう。
もちろんその事には一口飲んですぐに気付いた。
だがそんな男に負けたくないと持ち前の負けん気を発揮し必死に飲んだ結果は見るも無惨で、気付けば三つ年上の亮介の家にいたのである。
目覚めた時は見知らぬ天井に焦り、慌てて着衣の乱れを確認し――しっかりと着用したままだったことに安堵した反面、この状況に首を傾げたことを覚えている。