極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
 またどうすればより良くなるのか、どこと提携し宣伝すればどれくらいの集客が見込めるのかなどの企画書も毎月提出しなくてはならず、かなり忙しい部署のひとつとも言える。


 ――そう、連絡一本入れられないくらいに。

「……って言い訳は、流石に苦しいか……っ」

 うぐぐ、と思わず頭を抱えてしまった私の目の前にはインコネのメッセージ画面が開いていた。
 相手は光希。メッセージ履歴は四日前で、相手から『おやすみ』と一言だけ入っており私からの返信はない。

“やらかしちゃった……!”

 亮介に一方的に捨てられた日、つまり光希と初めて会ったあの日の夜、何て送ろうかを迷いながらうっかり寝落ちしてしまった私は、翌朝の月曜日に彼からその一言メッセージが入っているのに気が付いた。

 結果的に散々奢らせ、家までのタクシー代も払わせ、そして自分から誘ったくせに挿入はさせずにお礼すら言わない女になっていることに気付いた私は、なんて返信するかを迷いに迷い木曜日の今日まで結局送れずにいるのである。

「気付いてすぐなら寝落ちしちゃったって正直に言えたのに」
< 31 / 97 >

この作品をシェア

pagetop