極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
「調べるの大変だったんじゃない?」
「それほどでもないわよ。会社概要には会社代表のプロフィールが載っていたし、そのプロフィールを元に記事を取り寄せていたらビンゴだったの」
「でも、普通はそこまでしないだろ」

 光希の言葉に思わず首を傾げる。
 
 確かに、合同企画の提案をするだけならばそこまで調べる必要はないかもしれない。
 インコネのどこに惹かれ、そしてこの企画に乗ってくれたらどういったメリットがあるのかを提示すれば企画提案は成立するからだ。
 ……でも。

「ネットワークって、目に見えないじゃない?」

 ぽつりぽつりと私が話し出すと、光希が静かに耳を傾けてくれる。

「目に見えるものって便利になった実感がわかりやすいけど、目に見えないと気付いて貰えないことが多いのよ」

 道路が開通すれば目に見えて便利になった実感が湧くが、回線速度が速くなったことに気付く人はほとんどいないのが現状だ。
< 36 / 97 >

この作品をシェア

pagetop