極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
 亮介に“受け身”と言われたことで任せきりなことが少し気になったものの、彼がその土地土地の解説や大学に通っていた時の思い出を混ぜて話してくれるお陰で楽しい時間を過ごしたのだ。

 それに、私が興味を示し質問したことなどは特に嬉しそうに説明してくれ、彼も私との時間を楽しんでくれているのだとそう思えたことも大きい。
 受け身な私をつまらないと言った亮介と、結果的に受け身にはなってしまったが一緒に楽しんだ光希。

 同じことも見る角度で違う感情になるというのは、当たり前だが重要なことなのだと再認識する。

“これを仕事にも活かせたら”

 そこまで考え、いまだに返事の来ていないinforsy connect株式会社へ送ったメールへと視線を移す。
 最初に送信してからもうすぐ一か月。
 いつもの私なら、縁はなかったのだとこのまま諦める。けど。

 視界の端に映るのは京都の思い出、そしてそこで改めて見つけたインコネの『原点』だった。
 
「アプローチ方法を変えてみる、か」
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