極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
 大企業になったからこそ従来のシステムを大事にし、どこか閉鎖的になっていたシーサイドエルホールディングスが、新進気鋭の企業であるinforsy connectと手を結ぶかもしれないのだ。

 それは間違いなく新しい風を呼び、そしてそれらは確実に新規顧客へも繋がる。 
 しかも相手がどこともまだ提携していないinforsy connectというのは更に価値が上がる。

 この企画がもし形になればきっと一大プロジェクトになるだろう。


 一瞬光希へメッセージを送ろうかと思ったが、すぐにスマホから手を離した。
 まだアピールする機会を貰えただけ。
 それになんとなく、彼も私からのメッセージは待っていないような気がした。

“それより企画を練り直さなきゃ!”

 木曜日はきっと彼も来る。
 その時、彼らのお眼鏡にかなうような『わくわく』を詰め込むために。

 私はすぐに書式テンプレートを開いたのだった。

 ◇◇◇

 約束の日時はあっという間に来た。
 今日の話し合いでは上司も同席してくれることになったが、企画を提案しアポイントを取ったのは私のため基本は私主体で進めることになるだろう。
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