極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
今までもいくつか企画を立ち上げて来たが、こんなに大きな企画の提案は初めてのためどうしても緊張してしまう。
その緊張を紛らわすべく、彼らが来社する前に最終確認をしようと私は一人ノートパソコンと企画書を持って14時からおさえていた第八会議室へと向かった。
まさに、その時。
「朱里」
「……畑野さん」
私に声をかけてきたのは、親へ挨拶をした以来顔すらあわせていなかった亮介だった。
「今すごい話題になってんじゃん」
まるで婚約破棄なんてなかったかのようににこにこと爽やかな笑顔を向けてくる亮介にイラッとする。
以前はこの笑顔が好きだったけれど、彼の本性を知ったからか、それとも穏やかな光希の笑顔とは全然違うからかむしろ寒気すら感じた。
「あの、要件は何ですか」
「朱里ちょっと冷たくない? 確かにちょっと俺たちすれ違っちゃったけど、結婚の約束をした仲だろ」
“何よ今更!”
変わらずにこにことしながら言われたその言葉に唖然とする。
一方的に破棄したのはそっちのくせに、一体どの面下げてそんなことを言えるのかと頭が痛くなるが、重ねられた亮介の言葉はもっとあり得ないものだった。
その緊張を紛らわすべく、彼らが来社する前に最終確認をしようと私は一人ノートパソコンと企画書を持って14時からおさえていた第八会議室へと向かった。
まさに、その時。
「朱里」
「……畑野さん」
私に声をかけてきたのは、親へ挨拶をした以来顔すらあわせていなかった亮介だった。
「今すごい話題になってんじゃん」
まるで婚約破棄なんてなかったかのようににこにこと爽やかな笑顔を向けてくる亮介にイラッとする。
以前はこの笑顔が好きだったけれど、彼の本性を知ったからか、それとも穏やかな光希の笑顔とは全然違うからかむしろ寒気すら感じた。
「あの、要件は何ですか」
「朱里ちょっと冷たくない? 確かにちょっと俺たちすれ違っちゃったけど、結婚の約束をした仲だろ」
“何よ今更!”
変わらずにこにことしながら言われたその言葉に唖然とする。
一方的に破棄したのはそっちのくせに、一体どの面下げてそんなことを言えるのかと頭が痛くなるが、重ねられた亮介の言葉はもっとあり得ないものだった。