極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
光希が自分の出世のために取り入ろうとしていた相手だったと気付いたらしく、しどろもどろになりながら亮介が後退る。
丁度そのタイミングで、今日の会議に同席して貰う予定の上司が通りがかった。
私たちのその雰囲気に怪訝な顔を向けた上司だったが、すかさず光希が挨拶をしたことで慌てて近付く。
だが状況まではわからなかったらしく、私たちの顔を困った表情で順番に見回した。
「あの、実は」
仕方なく簡単に説明しようと口を開いた私を、光希がそっと片手をあげて遮る。
「今回のお話は、技術開発は弊社に一任してくださるという話だったかと思うのですが、彼が突然自分にやらせろと直談判してきまして」
「な!?」
「え、ちがっ、俺はっ」
「違いますか? では最初から弊社へ任せる予定はなかった、と」
「そ、そんなこと言って……お、りませんがっ」
残念です、と亮介と上司に背中を向けた光希と唖然としている私の目がバチッと合うと、何度も見たどこか悪戯っこのような笑顔を彼が浮かべた。
“確信犯……!”
だが確かに光希はひとつも嘘は言っていない。
丁度そのタイミングで、今日の会議に同席して貰う予定の上司が通りがかった。
私たちのその雰囲気に怪訝な顔を向けた上司だったが、すかさず光希が挨拶をしたことで慌てて近付く。
だが状況まではわからなかったらしく、私たちの顔を困った表情で順番に見回した。
「あの、実は」
仕方なく簡単に説明しようと口を開いた私を、光希がそっと片手をあげて遮る。
「今回のお話は、技術開発は弊社に一任してくださるという話だったかと思うのですが、彼が突然自分にやらせろと直談判してきまして」
「な!?」
「え、ちがっ、俺はっ」
「違いますか? では最初から弊社へ任せる予定はなかった、と」
「そ、そんなこと言って……お、りませんがっ」
残念です、と亮介と上司に背中を向けた光希と唖然としている私の目がバチッと合うと、何度も見たどこか悪戯っこのような笑顔を彼が浮かべた。
“確信犯……!”
だが確かに光希はひとつも嘘は言っていない。