極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
番外編

番外編:心の声が聞こえるんだよね

「光希ってめちゃくちゃよく気がつくよね」

 予定のない休日は特に約束がなくてもなんとなく一緒にいるのが当たり前になった、そんな土曜日。
 コトリと温かいコーヒーが置かれて思わずそう呟いた。

 ふわりと香るコーヒーにたっぷりのクリームが乗っていて物凄く甘そうだが、疲れた脳は糖分を求めていたのでありがたい。

“丁度甘いコーヒー飲みたかったのよね”
 
 定番になったカフェで向かい合う私たちは、互いにノートパソコンを開き仕事をする。
 
 休日デートに仕事を持ち込むなんて、と不満に思われるかと最初は心配していたのだが、互いの所属する会社で提携し共同開発したinfing(インフィング)について確認したいことがあり恐る恐るパソコンを持参したことがキッカケで、気付けば二人とも仕事をするのが定番になっていた。

 もちろん休日返上で仕事ばかり、というのは完全にワーカホリックではあるしあまり良くないとはわかっているのだけれども。

“つい光希が許してくれるから……”

 それに甘えるのが定番になってしまっている。
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