極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
 それに、集中力が切れた時にふと光希の真剣な様子が目に飛び込んでくるというのは、自分の意欲も湧き、そういう彼との時間が本当に大好きなのだと改めて思った、の、だが。

「……実は俺、心の声が聞こえるんだ」
「…………、ハイ?」

 突然真顔になった光希にそんなことを言われ、ポカンと口を開いてしまう。

“突然何言い出すのよ”
「突然何言い出すの、って思っただろ?」
「えっ!」
「俺も朱里とこうやって一緒にいながら別のことが出来るのって凄く貴重だと思ってるし、集中力が切れた時にふと目に入る朱里の頑張ってる姿は可愛いし俺も頑張ろうと思えて意欲も湧く」
「それ、まさに私がさっき考えてた……!」

 真っ直ぐ射貫くように見つめられながら紡がれる言葉たちは、あり得ないとわかっているのに妙に説得力があり思わず私は息を呑んだ。

“嘘、本当に?”

 普通に考えればそんなことはあり得ない。
 だが、今までのことを振り返ればあながち嘘だとも言い切れないと気付きじわりと額に冷や汗が滲む。

 いつも先回りで行動し、そしていつもタイミングよく現れ助けてくれるのは、彼が本当に私の心の声を聞いているから――
 
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