極上の男を買いました~初対面から育む溺愛の味~
 教授の姿が見えなくなったとはいえ、まだ大学構内にいるというのにその光希の発言にギョッとしてしまう。

「そもそもインコネは、教授がびっくりするほど色んな課題とか発表テーマとかを出してくるからその情報を纏めるために作ったんだ」
「そ、そうだったんだ」

 研究テーマは学生が決めることがほとんどだと思っていたのだが、どうやら光希の入っていたゼミは大まかな課題やテーマを教授が決め、その中から何を抜粋し研究するかを学生個人個人で決める形式だったらしい。

 だがその大まかな課題やテーマがマイナーなところを突くことも少なくなく、研究内容や発表内容を絞るために資料を集めるのもかなり苦労したのだとか。

“だから学生たちそれぞれで片っ端から資料を集めて共有するアプリが出来たんだ……”

 とにかくかき集めた資料をそのアプリで全員に共有アップロードし、必要なものをそれぞれがダウンロードする。

 音声データや画像、文章、URL……様々な媒体を一気に共有出来るようにしていたのもそこに一因するのだろう。


「じゃあ、光希の一番の運命の人はあの教授だね?」
「え!」
 
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